この波に乗り遅れるな！マンガ大賞2014ノミネート作品発表<前半>

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この波に乗り遅れるな！マンガ大賞2014ノミネート作品発表<前半>

「マンガ大賞2014」のノミネート作品を発表されました。ノミネートされました10作品をご紹介。

「足摺り水族館」はコミティア（同人誌即売会）や自身のwebサイトなどで活動をしてきた panpanyaが、2010年に発行した同名作品と2011年にすべて手作業で制作され発行した「ASOVACE」を再編集したもの。おつかい中の子供が非日常の世界に迷い込む「完全商店街」をはじめとするショートストーリーを複数収録し、イラストや紀行文なども加えた作品集。細部まで緻密に描かれた歪んだ風景には圧巻。

「亜人」は、good!アフタヌーンで連載されている桜井画門による異能系サスペンス漫画。17年前、アフリカの戦場に現れた決して死なない人間「亜人」をめぐるストーリー。主人公はある日突然事故に遭ったことから亜人ということが発覚し全人類から追われる身となり日常が崩壊していく。追い詰められるゾクゾク感とテンポの良さからグイグイと惹き込まれる作品。

エンターブレイン発行の隔月誌『Fellows!』で連載を開始された森薫の「乙嫁語り」は、19世紀後半の中央アジアの厳しい自然の中に生きる人々の生活と文化を描いた家族の物語。北方の移牧民ハルガル家から嫁いできた20歳の花嫁アミルが姉さん女房として奮闘するさまが描かれる。とにかくディテールにまでこだわり抜いた書き込みが素晴らしく、民族や大自然の空気感が伝わってくる。

佐野菜見の「坂本ですが？」はタイトルや表紙絵でわかるとおり主人公の坂本くんが超絶スタイリッシュ＆クールに学園生活をおくる様を描いたギャグマンガ。何よりも坂本くんというキャラデザがすばらしく、カレにかかると学園のあるあるネタがエレガントに様変わり。ページめくるたび腹をかかえて笑えます。

本作が初連載となる武田一義の「さよならタマちゃん」。この作品は『GANTZ』の奥浩哉先生のアシスタントだった武田一義氏自身に起きた「精巣腫瘍」という睾丸の癌への闘病記を描いたもの。癌の発見から告知、手術といった実際の体験とともに、それを支える奥さんや同室の方たちとの交流を、決して重たくなく、そして説教くさくなく、アッサリした雰囲気で読める作品。純粋に家族を大事にしようと思えます。